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不動産鑑定評価で半世紀の横須賀不動産鑑定事務所が運営するレンタルオフィス

TEL.03-3861-5299 〒105-0013 東京都港区浜松町1丁目12-8 横須賀第8ビル

不動産

相続人にも喜ばれる賃貸管理

ある高齢の資産家が、ビルが半分くらい空いている状況で、何も対策を取らず放置していました。わけを聞くと、家賃収入が入っても、所得税がかかるうえ、近い将来相続税が多額にかかるので、2重に税金がかかってしまうのだ。だから空いていてもいいし、それよりはビルに多額のお金を掛けず、相続人のために貯金をしておきたいということでした。

ただ、我々専門家から見ると、これから人口がどんどん減っていく、また建物もかなり傷んでいる。そして周りには新築の物件がどんどん建っている。そんな中この古いビルをこの空き状況で引き継ぐ相続人は極めて高いリスクにさらされると分析しました。

現金を貯めていると、相続税の納税が助かるように思えるかもしれませんが、その後、相続税を納税した残りの金銭でいずれ建物のメンテナンスをしなければなりません。管理費(メンテナンス)を削って利益を上げてきた物件ではなおさら、その後の修繕費(メンテナンス)が多額になるという問題点があります。

また、実際そんなにボロボロでは借り手がいないので、資産と思っている建物が、ほとんど価値が無い物になってしまう懸念もありました。

これらの資産を引き継ぐ相続人のためにも、より安定した収益物件にすることが重要であることを説明し、先ずはお金をしっかりかけて大規模な修繕に取り組みました。結果としては、物件の稼働率が大幅に向上し、収入がアップしました。また修繕費・設備の取替えを実施したため、収入はアップしても所得税は減らせました。

これにより、建物の資産価値は稼働率が向上した分だけ上昇しましたが、それにもかかわらず、相続税評価は上がりません。

なぜなら、建物をボロボロのままにしていようと、ピカピカの状態にしていようと、建物にかかる相続税の額は一定だからです。むしろ、修繕費等で現金を支出した分だけ、相続財産が計算上減ることになりますので、納税金額も下がります。

一般的に年配のビルオーナーはビルにお金をかけるのを嫌がり、それを貯蓄に回す傾向があるのですが、本気で相続対策をするのであれば、反対にビルのメンテナンスにお金をかけ、社会に有用な物件を提供し、稼働率も上げて、ビルの資産価値も高めること!

これにより相続人に安定収入を引き継いだ方が、結果として所得税・相続税・相続後の実質資産価値の全てにおいてお得な状態にもっていくことができます。

もちろん、入居している人だって、近所の人だって、メンテナンスが行き届いている方が気持ちがいいはずです。

どうせ管理するなら、賃借人にも賃貸人にも、相続人にも、周りの人にも喜ばれる賃貸管理をしたいものです。

「情けは人のためならず」、「ビルメンテナンスも人のためならず」

都心の一等地を家庭菜園として無償で使わせて頂く方法

昔から日本人にとって土地を所有することは憧れであり、住宅などは夢のマイホームと呼ばれたりします。
しかし、社会ストックが充実し、少子高齢化が進むと、住宅や土地は徐々に余ってきます。

誰も住まないのであれば、理屈の上では建物を取り壊して、売却する手もあるのですが、ご先祖様が残してくれた大切な土地・建物、そして自らが幼少期を過ごした故郷であるとすれば、簡単に売ってしまうことはできないものです。最近はそんな空家、取り壊し済みの空地をよく見かけます。

 

家庭菜園になる前

こういった空き地や空家は都心に限らず、日本中の住宅街で多く見られます。

これは我が家の近所の空地の写真なのですが、通る度に、違和感を持つものの、他人の土地をどうこうできるものではないと、長年通り過ぎるだけの日々を過ごしておりました。

ただ、「問題があるところにチャンスが眠っている」という思いが強くなり、この状態をなんとかしてみようと思い立ちました。

私は、もともと草花を植えるのが楽しみで、マンションのベランダで草花を育てていました。場所が足りず、空中にぶら下げて植えてみたりと、スペース確保に苦心していました。

思案するうちに、あの土地はいつも雑草が鬱蒼と茂っているのだから、誰も使っていない土地だ!しかも、植物を育てる地力は十分ある!整地すれば家庭菜園としては最高の立地ではないか!と思うようになりました。

また、土地所有者としても、このまま長い間放置していれば、雑草が繁茂して、虫が湧いてしまい近所の迷惑にもなってしまう恐れがあること。また度々ゴミが投げ入れられたり、前面の道路の掃除や、季節毎に雑草を処理するのには多額の費用が掛かることなど、現在の状態に多くの悩みを抱えているのではないだろうか?と。

 

草刈後にはきれいな土地がお目見えしました。

草刈後にはきれいな土地がお目見えしました。

そこで、所有者を公図と登記簿をもとに探し出し、現在の状況を報告し、家庭菜園として土地を無償で「管理」し、「地域に愛される土地」にさせてくださいと提案しました。

この提案は、売り手良し・買い手良し・世間良しの「三方よし」という、近江商人たちの発想をお手本としたものです。

①商売を行うからには売る側が儲からねば意味がありません。

②そのためにはお客さんにも喜んでもらわなければなりません。得をしたと感じてもらわなければなりません。

③地域社会の信頼を勝ち得てこそ商いができるのですから、地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならなりません。

今回は商売ではありませんが、①所有者にも良く、②利用者にも良く、③地域にも良いという「三方良し」の状態をつくり上げることは、合意を得るうえで重要な要素であることには変わりはありません。

私の提案ですと、

①所有者は、通常であれば有償で草刈を依頼しなければならないところを、土地を整地してもらい、継続的に家庭菜園としてきれいな状態を維持してもらうことにより、ゴミの投げ入れの防止にもなり、常に土地の様子を見守ってもらえることや、雑草の処理、前面道路の掃除等の管理をすべて無償で行ってもらえるという利点があります。

②利用させていただく私としても、都心の一等地を無償で借りられる利点があります。もちろん整備された菜園ではありませんので、草刈・開墾には労力はかかりますが、テレビ番組の「ダッシュ村」のように、土地を1から開墾することを憧れとしていた私にとっては、荒地を1から開墾する夢を実現することもできます。日常の維持管理についても、もともと、草花を趣味としている私は、草花を愛でるのが目的ですから、土地をきれいに維持するのは当然のことですし、野菜を植えれば、おいしい収穫もついてきます。

③周辺の住民にとっても、これまで荒れていた土地が、きれいに整地され、花や果実の生長を見守れる家庭菜園となれば、これまでより良い環境となります。また、不動産の管理をさせていただく以上、前面道路の掃除も私が適宜行いますし、取れた野菜を近所におすそ分けしたりしていますので、ご近所の環境や人間関係も良くなっていきます。

 

今や近所のオアシス 狸もたまに出没します。

うちの子は、この畑で遊ぶのを毎日楽しみにしています。蝶々を追いかけたり、イチゴを摘んだり。

今でも、円満に家庭菜園として利用させていただいていますが、この関係が築けているのは、単なる利害の一致のみならず、貸す側と借りる側の人としての信頼関係と、双方の誠意がなければ成り立ち得ない部分があります。また、ビジネスライクに借地契約を結ぶような形式を重んじるのではなく、あくまでも土地所有者の温情により土地を「管理」させてもらいながら楽しんでいるので、所有者が必要となれば、いつでも明け渡すことを確約するなど、土地(故郷)を手放したくないという所有者の気持ちに寄り添うことも必須だと思います。

今回は、懐の深い所有者様に巡り合えたこと。そして、私自身も労を厭わない人間であり、土地を利用させていただく者としての義務を果たす覚悟を伝えることができたことが「三方良し」の合意が得られた最大の要因だと思います。

家庭菜園に憧れる気力・体力・責任感のある方は、このようにして新たな菜園を開拓をしてみてはいかがでしょうか。

東京シナジーオフィスや銀座BAR「縁」でも、このように利用者と運営者が共にメリットを見いだせる環境を整え、成果が世の中にも還元されることを目指しています。

大家さんがもらえる賃料と平均賃料のギャップ

都心のマンションや事務所ビルの大家さんから、賃料統計の募集賃料は上昇しているのに、うちのビルの賃料は上がらないと言われることがあります。

確かに、都心のマンションや事務所ビルの一部のエリアでは賃料が上がっているという統計データが得られることがありますが、大家さんの古いビル家賃は下がり続けていますので、感覚とズレた結果に戸惑うこともあるでしょう。

このズレの原因の大半は、その大家さんの所有している建物は年々劣化しているのに対し、大家さんが見ている統計データは、新築物件が次々と誕生している市場全体の平均募集賃料だったからです。

マンションや事務所ビルが、どんどん建て替わっていく中では中小規模の大家さんの持っているビルは、経年とともに劣化や陳腐化が進み、新規募集物件の中ではどんどん見劣りする物件となっていきます。しかも、ここ十数年の設備の進歩はめざましく、数十年前の物件とは明らかに「もの」が違ってきています。

例えば、新築のマンションの多くは、ウォシュレットがついています。浴室には乾燥機があり、床の乾燥も早くなっています。台所はシステムキッチンで、ディスポーザーなどを備えていることもあります。空調も省エネタイプ・高機能、照明もLEDや蛍光電球などで光熱費を抑えた生活が可能です。インターホンはモニター付となり、床や壁の防音性能、消臭壁紙など機能も、気が付かないうちに変わっています。

これらの設備・機能を導入するには当然お金がかかるわけですから、新築物件の賃料は下がらずに、むしろ高止まりするのはある意味で自然なことともいえます。

昔は大体の賃貸物件のグレードが横並びでしたので、「地域の賃料水準」=「自分の物件の賃料水準」と思っていても差し支えなかったのかもしれませんが、今では立地に加え、個々の建物の設備や機能があまりに異なっており、設備の個性も十分踏まえて募集賃料が上下します。ですから、今の設備・機能面を無視して「賃料の平均値は上がっているから、自分の所有する建物の賃料も上がるはずだ!!」という理屈は昨今ではあまり成り立たなくなっています。

また、統計には様々な取り方があり、その取り方によって意味が異なります。

複数のビルを昔から定点観測しているものもあれば、築浅物件のみを集計したもの、それから一定規模以上のビルデータを抽出し集計したものなど様々です。同じ「平均賃料」という言葉を用いているものの、その意味するものは大きく異なることがあるのです。どういったものを集計しているのか、また仮に建物が建て替えられた時にはどのような補正やデータの組換がなされるのか?といったところにまで想像をめぐらせなければ、現実の動向を見誤ることもあります。

(文責 東京シナジーオフィス代表 林達郎)